事務員さん日記

ヘルタースケルター読んでみた

1996年当時、そういうマンガがあること、また岡崎京子なるマンガ家のことも当然のように知っていたが、

その頃私は30代。もうそろそろ『時代のアイコン的な』とか、『ひりひりした感覚のもの』といったキーワードを避ける傾向にあった為、あえて読まなかった。気が滅入りそうだったからである。

今回映画化されることになり、マスコミの(勝手な)盛り上がりっぷりと、ハマリ役らしい沢尻エリカがどう演じるかが注目されているのを機に、読んでみた。40代になった今なら、『少々のヒリヒリ感』への耐性ができているのでは、と思ったから。


当時の私は岡崎京子というマンガ家を、どちらかといえば嫌っていた。

おそらく、膨大な小説や映画からインスピレーションを得ていたと思われるその手法が、天邪鬼な私のカンに触ったからだ。

また私の中で、山岸涼子、大島弓子を超える作家がいなかったことも起因していた。

今回そういった色眼鏡を外してみて、素直に思ったこと、感想。

まず、タフな時でないと読めない類のものである。

そして、粗削りなところもあるが、大変巧い観せ方をするひとだなぁと思った。

心象風景や、幻覚などの差し込み方が、なんともいえず巧い。
(しかしながら、それより以前の作家の影響がどうしても見え隠れしてしまう。(つげ義春など)これは当方が年をくっているから仕方ない。若いコには衝撃だったであろう)

話の詳細はここでは書かないが、私個人的な意見として、三島由紀夫を読んでいるときの感覚を呼び起こさせてくれる、そんなマンガ。

しかし、たまたま、三島の“金閣寺”を読んだあとに、この“ヘルタスケルター”。

やはり気が滅入ってしまった(笑)

そして、まだ映画も観ていない段階で、大変失礼な意見だが、

沢尻エリカでは、この主人公の心の闇は、まだ演じきれないのではないか?

容姿はそっくりだし、憑依型の女優さんだけど…。

と、いらぬお世話ですな(笑)